自民党は21日、所属国会議員全員を対象に党本部で政治改革本部の総会を開き、石破茂首相(党総裁)が年内を目指す政治資金規正法の再改正を巡り同党案を了承した。報告義務がなくブラックボックス化が指摘された政策活動費(政活費=政党から議員個人への支出)は廃止する。一方で「外交上の秘密に関わる支出」新設の検討を付言。「形を変えた政活費」となりかねない懸念も示され、今後の与野党協議の焦点となりそうだ。
政活費の廃止は、改革本部事務局長で総会の司会を務めた小泉進次郎元環境相(衆院神奈川11区)の総裁選出馬時からの主張。先の衆院選で苦戦したベテラン議員は「理屈をつけて存続するより打ち切りで良かった。少しは国民の理解も広がる」と安堵(あんど)した。改革本部関係者によると、小泉氏は「中途半端ではだめだ」と存続論に一切くみしなかったという。「政活費存続なら世論からの落第は必至だった」(同関係者)。
しかし「外交上の支出」は継続課題となった格好だ。新たに設置する見通しの政治資金監視の第三者機関の役割として「外部監査が可能」との理由付けもある。「公表方法への配慮」も検討されるといい、非公開の判断も予測される。野党からは「拡大解釈されて非公開の範囲も金額も膨らみかねない。もともとの政活費が復活するだけでは」(立憲民主党議員)との批判が早くも聞かれる。