熱戦が繰り広げられる野球の国際大会「プレミア12」。横浜DeNAからは牧秀悟内野手(26)、佐野恵太外野手(29)、桑原将志(31)が日の丸を背負って戦っているが、米国代表にもかつてのベイ戦士の姿がある。2017年から4年間在籍したスペンサー・パットン投手(36)だ。日本通算219登板の鉄腕右腕に、横浜での日々を述懐してもらった。
21日の日本―米国の試合前。パットンは桑原らと再会し、旧交を温めた。「クワ(桑原)や佐野はノーイングリッシュ。だから日本語で話した」。古巣チームの動向を日々チェックしていたと言い、26年ぶりの日本一を祝福していた。しかし、真剣勝負のマウンドでは日本打線を1回無失点。かつてをほうふつとさせる投球を披露した。
日本時代は外国人投手史上3人目の通算100ホールドをマークするなど、ブルペン陣の屋台骨を担った助っ人。来日後の20日には山崎康晃(32)らと会食し、「ヤス(山崎)はブルペン・センパイになったね。若い選手たちにとって最高の存在だと思う」との精神的な成長を感じ取った。
ベイスターズ退団後は「投げるために必要な自信を手にすることができた」と、21年に米大リーグ・レンジャーズで42試合登板。今季はメキシカンリーグでプレーし、「昔からの夢だった」という「USA」のユニホームも身にまとった。
「本当にうれしい。五輪でもプレーしたかった。ずっとここ(日本)に戻ってきたかった」。右腕はグラウンドを見渡し、感慨にふけっていた。