一般党員にも国会議員や地方議員と同じ1票を割り当てる日本維新の会代表選(12月1日投開票)を巡り、大阪に地盤がない候補者の陣営や支持者らに困惑が広がっている。有権者の9割以上を占める一般党員票の約半数が大阪府民だからだ。大阪に偏重する党員が結果を左右する独自の投票方式に対し、見直しを求める声も上がる。
馬場伸幸代表の後任を選ぶ代表選には、吉村洋文共同代表(大阪府知事)、金村龍那副幹事長(衆院比例南関東)、空本誠喜衆院議員、松沢成文参院議員(神奈川選挙区)の4人が立候補している。金村、松沢両氏はともに神奈川、空本氏は広島に地盤を持つ「非大阪系」候補だ。
投票資格があるのは国会議員や地方議員、首長ら「特別党員」846人と、「一般党員」2万5871人。有権者全体の約半数を大阪府民(1万3835人)が占めており、東京都民は約1400人、神奈川県民は千人余りに過ぎない。
議員票と党員票に差をつけない仕組みを導入している維新の代表選は、有権者の9割以上を占める一般党員票の行方が勝敗の鍵を握ることになり、とりわけ大阪府民票を固められるかどうかに懸かっている。
ある維新関係者は「国会議員票に重きを置く自民党や立憲民主党の党首選とは異なり、選挙で選ばれた議員と一般党員を同等に扱う維新の代表選は国政政党の在り方として疑問視され、前回の代表選で規約の見直し論が浮上した」と明かす。しかし、「大阪系」の馬場代表が就いたことで見直しが進まず、今回の代表選で不満が再燃した格好だ。