小学校の花壇から新種の微生物?-。自然界では微生物分解できないとされた難分解性プラスチック「ポリプロピレン(PP)」を水と二酸化炭素に分解する微生物を慶応大学の宮本憲二教授(微生物分解)らの研究チームが発見した。研究チームと鎌倉市は共同で市立西鎌倉小学校(同市津)の給食で使ったストローを土壌分解する実証実験を行い、実験に使われた学校の土壌から検出された微生物を「ニシカマエンシス」と命名。分解菌を初めて特定できたことでプラスチック分解のメカニズム解明につながるという。
ニシカマエンシスはラテン語で「西鎌倉の土から取れた」という意味で、同校の児童らと相談して決めた。28日の日本分子生物学会で発表され、国際機関から今後、新種と認められれば正式な学名として採用される見込みという。
PPは熱に強く、軽くて加工もしやすいことから電化製品やフィルム、ストローなど広く使われている。一方で安定的な分子構造から自然界では数百年かけても分解されずに残るとされてきた。2000年代にPPなどを微生物分解しやすい低分子状態に変化させる添加剤「ピーライフ」が開発され、PPを微生物分解することが可能となった。しかし、分解速度は遅く、分解菌の特定が長らくできなかった。