これからも、地域の人々をつなぐラジオに─。神奈川県横須賀市のコミュニティーFM「FMブルー湘南」(同市大滝町)が3日、開局30周年を迎えた。横須賀の文化発信や交通、災害情報の発信に力を入れてきた。富岡浩司社長(69)は「横須賀の市民が元気になるようなラジオを続けていきたい」と前を向いている。
大きな節目に到達したこの日、同局は記念放送を実施。開局当時の1994年に流行した洋楽ヒット曲を流したほか、パーソナリティーが市街に飛び出て市民からの祝福メッセージを受け取った。リスナーからも喜びの便りが届いた。
コミュニティー放送は92年に制度化され、同局は全国11番目、県内3番目のコミュニティーFMとして開局。ただ電波の出力である空中線電力が最大20ワットと弱く、当時は無線マニアなどファンは多くはなかった。「(周波数の)785に合わせても横須賀市内でも場所によっては全然聴けず、営業先で紹介できなかった」と富岡社長は苦労を振り返る。