長年にわたり夏の風物詩にもなっていた三浦海岸(三浦市)の「海の家」が、来年以降は建てられないことが10日、分かった。海の家を運営していた三浦海岸海水浴場運営委員会が解散し、申請資格のある組合がなくなったため。来年は市が海水浴場を開設し、新たな形でのにぎわいづくりを目指す。
三浦海岸では、2023年は2軒の海の家が設置された。しかし、今年は救護関連費など海水浴場を運営するための負担が大きく、2軒とも見送った。多額の運営費が捻出できず、同運営委は海水浴場の開設を断念。来年以降も委員会による開設は難しいと判断し、5月に解散した。
海岸管理者である県の審査基準によると、海の家の占用申請ができる組合は「審査基準の施行以前から海の家の運営を毎年継続して行っている組合」でなければならない。三浦海岸では同運営委だけが該当する。
昨年、海の家「丸長荘」を建てた吉田勝さんは「海の家の資材も保管してあり、市が海水浴場を開設すれば、(委員会がなくても)海の家も再開できると思っていた。想定外だが、今後のことは市に任すしかない」と落胆する。