図書館サービスの向上に向け、横浜市が新たな大型図書館を整備する方針を固めたことが10日、関係者への取材で分かった。収蔵量が逼迫(ひっぱく)する中央図書館(同市西区)を補完して蔵書の拡充を図るとともに、物流センター機能を持たせて貸し出し・返却拠点の増設につなげる。利用者が交流・体験できる「知の拠点」として位置付け、新たな核となる施設を目指す考えだ。
市教育委員会によると、新設館は「図書館ビジョン」で掲げた方向性を具体化する施設とする。交流・体験型の新機能を備えるほか、電子書籍など多様なメディアに対応。貸し出し・返却できる「取り次ぎ拠点」も市内11カ所から拡充し、市民の利便性向上につなげる。立地場所や規模、開館時期については今後検討する。
並行して、各区に設置している「地域館」の機能を強化する。複合施設への入居を機に規模が3倍以上となる鶴見図書館のように、一部の館を中規模化。築年数が最も古い港北図書館の老朽化対策にも着手する。他の地域館も増改築を施し、居心地の良さを改善していくという。