70歳以上の市民は年額負担でバスや地下鉄が乗り放題となる横浜市の「敬老特別乗車証(敬老パス)」について、市は16日、75歳以上の運転免許証返納者に3年間無料交付すると明らかにした。適用範囲を「地域交通」にも拡大し、利用料を半額にする仕組みも導入する。介護予防効果も視野に「高齢者の足」を充実させる考えで、来年3月に関連条例を見直し、10月に新たな運用をスタートさせる。
敬老パスは、所得などに応じて無料から最大2万500円の年額負担で市営・民間バス、市営地下鉄、金沢シーサイドラインを利用できる制度。来年度の見直しは住民の移動手段が乏しい「交通空白地」解消に伴う適用拡大などに軸足を置いており、山中竹春市長が公約に掲げた「75歳以上の無料化」は先送りする公算が大きそうだ。
運転免許を返納した75歳以上に無料交付する制度は、来年10月に運用を始める。高齢ドライバーの事故防止と移動手段の確保が狙いで、年間約7300人を想定。対象は4月以降の返納者で、返納後3年間の負担額をゼロにする。