崎村調理師専門学校(小田原市城山)の生徒が授業の一環で市内の老人ホームを訪れ、手作りのクリスマスケーキを振る舞う取り組みを20年以上続けている。毎年お年寄りに好評で、生徒にとっては誰かのために料理を作る貴重な機会になっているという。
「心を込めて作りました。ぜひ食べてください」。1、2年生の生徒15人は19日、同校に併設されている介護付き有料老人ホーム「ジョイアス城山」を訪れ、お年寄り一人一人にケーキを手渡した。
用意したのは、スポンジから全て手作りのイチゴのショートケーキ。お年寄りは「おいしい」「また来年も楽しみにしています」などと話しながら、笑顔で頰張っていた。同校は同ホームに毎年ケーキを届けており、生徒が訪問するのはコロナ禍を挟み、5年ぶりという。
この取り組みは同ホームが創立された2005年以前にも、毎年行われてきた。同校の教育モットーは「奉仕の精神」で、食べる人のことを考えてケーキを作り、感謝の言葉を伝えられる経験が生徒を成長させる機会になるという。
今年はジョイアス城山を含めて老人ホーム3施設を生徒が訪問する予定だったが、体調不良のお年寄りがいた他の2施設は18、19日にそれぞれ代表の生徒がケーキを届けた。
19日は2施設分で約50ホールのケーキを用意。「ケーキを作るのは大変だったが、おいしいと言われたことがうれしかった」と伊東梛さん(19)=平塚市。佐藤太輝さん(19)=南足柄市=は「すごく喜んでもらえた。また心を込めて作りたい」と話していた。