解体撤去の計画が進んでいた川崎市高津区のトロリーバス旧車両が、一転して保存されることになった。鉄道愛好家が譲り受け、修復を目指し搬出。専門家は「心ある人たちの行動で後世に残すことができる」と胸をなで下ろしている。
トロリーバスは市交通局が1967年まで川崎区で運行していた「104号」。路線廃止後に高津区の二子塚公園で住民の集会所として使われてきたが、老朽化のため解体が決まっていた。
関係者によると、解体計画を知った愛好家の男性が、バスの管理を担ってきた地元町会などと交渉し譲り受けた。21日にトレーラーで搬出し、近郊の私有地に“一時避難”。今後は保存会を立ち上げ、傷んだ箇所を修復した上で別の場所での公開を目指す。輸送や修復の費用は、有志らで賄うという。