JR東海が建設中のリニア中央新幹線で、相模原市緑区鳥屋地域に設置される「関東車両基地」の工事が25日、着工した。品川-名古屋間に二つ設けられる車両基地の一つで、山あいの地域を切り土と盛り土により大規模に造成する。同日、建設地で関係者らによる安全祈願が行われた。
関東車両基地はJR橋本駅近くに建設中の新駅「神奈川県駅(仮称)」から本線を名古屋方面に9キロ、南側に分岐する回送線を4キロ進んだ標高304メートルに設置する。延長約2キロ、最大幅約500メートルで、山林など約60ヘクタールを造成し、車両の留置線や検査などを行う検修庫が整備される。東側の串川に沿った集落を見下ろす形となる。
今回の工事は山を削り、谷を埋めて平らに造成するもので、工期は2027年9月まで。切り土の高さは最大約60メートル、盛り土は最大約25メートル。
造成地は串川につながる四本の沢にまたがるため、地中に付け替え水路を設置するほか、2カ所の調整池も設ける。中央部を東西に貫く県道64号の付け替え工事や道路拡幅も行う。西側にビオトープと展望広場も設ける予定だ。