生活協同組合ユーコープ(本部・横浜市中区)が運営するスーパーでパート従業員として働いていた女性=当時(53)=が自殺したのは上司らのパワーハラスメントが原因などとして、同市磯子区の夫(58)ら遺族がユーコープ側に約4800万円の損害賠償を求めた訴訟は25日、横浜地裁で和解が成立した。遺族側が同日会見し明らかにした。
遺族側によると、和解条項はユーコープ側がパワハラと安全配慮義務違反を認めて謝罪し、解決金を支払うほか、再発防止策の実施を約束する内容。
再発防止策としては、遺族が直接ユーコープ理事長や役員ら責任者に今回の件を伝える場を設け、現場店長らにも内容を周知するほか、全従業員へのハラスメント防止実態調査などが盛り込まれた。さらに今後3年間、遺族にハラスメントに関する学習啓発実施状況や調査結果を報告。そのほか継続的な検証体制整備や外部相談窓口周知も行うという。
訴状などによると、女性は2009年から勤務。20年に配置転換となった青果部門で上司の女性らから日常的に暴言を浴びせられるなどし、精神疾患を発症。21年1月に自殺した。22年に横浜南労働基準監督署から「精神的攻撃が執拗(しつよう)に行われた」などとして労災認定された。