性感染症の梅毒が全国的に拡大傾向にある中、2024年の神奈川県内の感染者数が過去最多となる見通しであることが、県衛生研究所のまとめで分かった。12月15日までで769人(速報値)に上り、過去最多だった前年(664人)より既に100人以上増加。増加は4年連続で、県は「感染を防ぐためにも正しい知識を身につけ、気になる症状があればためらいなく検査を受けてほしい」と呼びかけている。
主に性的接触が感染経路の梅毒は近年、感染報告者数が増加している。県衛生研究所などによると、症状が消えても適切な治療を受けないと病原菌が消えず、母子感染の危険性もある。
厚生労働省によると、国内の感染者数は約1万1千人が報告された1967年以降減少していたが、2011年ごろから増加傾向に転じた。19、20年に一時的に減少したものの、21年以降に大きく増加。22年以降の感染報告は年間1万件を超えている。
県内も同様の傾向で、県衛生研究所の集計によると、21年は336人、22年は523人、23年は664人と感染者の増加が続いている。