人気ロックバンド「LUNA SEA(ルナシー)」の楽曲を小田急線秦野駅(秦野市)の「駅メロ」に採用してもらおうと、地元ファンの有志が市内で活動している。同市はルナシーのメンバー5人のうち4人の出身地で、バンドにとって「正真正銘の故郷」。バンド結成から36年目となる今年は市制70周年の節目でもあり、地元ファンは「必ず実現させる」と張り切っている。
■ファン集い、実行委立ち上げ
中心となって活動しているのは、同市出身のファン約10人。市内に住む今野翔さん(42)の呼びかけで集まり、2024年10月に「小田急秦野駅発車メロディーLUNASEA楽曲化計画実行委員会」を立ち上げた。同駅前やイベント会場、インターネット上などで署名を集めているうちに輪が広がり、飲食店など13カ所にも署名用紙を置かせてもらい協力を呼びかける。
今野さんは22年に秦野青年会議所の理事長を務めるなど、地元で活動する中で愛するルナシーの楽曲を駅メロにして地域を盛り上げたいと思うようになったといい、今年中の採用決定を目指している。
■メンバーも活動を後押し
全国各地にファンがいるルナシーだが、郷土愛も強い。ライブ中には秦野の名水を詰め込んだペットボトル飲料水「おいしい秦野の水」を愛飲。ドラマーの真矢さんは「はだのふるさと大使」を務めるほか、和太鼓グループ「秦野祭囃子(ばやし)社中」を結成して地域イベントを盛り上げている。
今野さんは「メンバーは小さな祭りでも参加してくれ、多くの人が集まってくる。ルナシーは地元の誇りです」と力を込める。
そんなファンの活動を、ルナシーも後押しする。ギタリストのSUGIZOさんは交流サイト(SNS)で「素晴らしい。。。皆様に心から感謝します」とメッセージを投稿。他のメンバーもSNSで署名活動に関する発信を行っており、24年11月に県民ホールで行われたライブでは、真矢さんが「仲間を応援してほしい」と呼びかけた。
■既に署名は1万筆超
今野さんらは、秦野市民の署名6500筆を含む計1万筆を目標に掲げ、既に1万筆超の署名を集めた。ただ、秦野市民については約3000筆にとどまっていることから、目標達成まで署名活動を続ける考え。今野さんは「まだまだ足りない」と気合を入れ直す。
署名が目標数に達したら市に届け、小田急電鉄に働きかけてもらう。念願が成就して駅メロへの採用が決まれば、楽曲はアンケートで決めたいという。
「ルナシーは憧れのバンド。かなえばうれしい」「多くの人が分かる曲がいい」。実現を願うファンの思いを背負い、今野さんらの署名活動は“真冬の野外”でなお一層、熱を帯びる。秦野駅にルナシーの楽曲が響き渡ることを「I WISH FOR 夢見て」─。