1月10日の「110番の日」を前に、110番通報の適正利用を呼び掛けるキャンペーンが9日、横浜の神奈川県警本部の通信指令室で行われた。「一日通信司令官」に委嘱された大橋ボクシングジム(横浜市神奈川区)の大橋秀行会長は、不要不急の通報に対して「警察官や電話回線には限りがある」と“ジャブ”を打ち、市民に協力を求めた。
県警通信指令課によると、2024年の総受理件数は106万5730件(前年比628件減)と過去最多だった23年に次ぐ多さで、約30秒に1回の割合で通報があった計算になる。
このうち約3割に当たる31万5353件が不要不急の通報だった。中にはいたずらだったり、「車がガス欠なのでガソリンを持ってきて」「荷物がいっぱいなので迎えにきて」といった通報もあったという。
大橋会長は、通信指令室内を見渡し「110番通報に対応する警察官は意外と少ない。そぐわない通報はしてはいけないと改めて実感した」と感想を口にした。報道陣から同ジムに所属する世界王者の井上尚弥選手について質問されると、「(井上選手に)今後、大きな『指令』が出ると思う。ビッグマッチ続きになる。横浜で大きな試合をしたい」と応じた。
同課は「不要不急の通報が多くなると、緊急性のある通報への対応が遅れる可能性がある」とし、要望や相談については相談ダイヤル「#9110」の利用を呼びかけている。