憧れた国立のピッチで懸命に右足を振り抜き、最後まで走り続けた。東海大相模主将のMF長井は全4試合にフル出場。「キャプテンっぽくない自分をみんなが支えてくれた」と感謝を口にした。
初戦の草津東(滋賀)戦では0―1の前半に同点弾を決め、終盤の逆転劇を呼んだ。東海の快進撃の起爆剤となった背番号6は「他のチームより楽しいサッカーをしている自信があった」
準決勝も前半にCKでクロスを上げ、チャンスの起点をつくった。自陣深くまで攻め込まれれば、相手選手に体をぶつけてボールを回収。中学時代から夢見ていた舞台で奮闘し続けた。
主将に就任したのは春先から県リーグ1部で連敗していた昨年5月ごろ。当初「(主将の選出は)消去法だった」との思いを抱いたが、夏の全国総体3回戦で敗退後、「自分が引っ張らなきゃいけない」と一念発起。「一人一人がキャプテン」と約180人と大所帯のチームをまとめ、初出場ながら神奈川の過去最高成績(準優勝)に迫る3位まで押し上げた。
「今はちょっとキャプテンっぽい人間になれたかな」としみじみ。聖地で見せた激闘は、心も成長させてくれた。