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箱根・仙石原で恒例の火入れ 植生保全へ、1ヘクタールで枯れ草など焼き払う

カナロコ by 神奈川新聞 2025年1月17日 18時20分

 湿原保全のための火入れが17日、箱根湿生花園(箱根町仙石原)に隣接する仙石原湿原植生復元区で行われた。同園の職員ら26人が復元区の半分(約1ヘクタール)の枯れ草や幼木を1時間ほどで焼き払った。

 作業員らが二手に分かれて枯れ草に着火すると、「パチパチ」と音を立てて燃え広がった。風上側に火が回ると、一帯は大きな炎と煙に包まれ、背の高いヨシなどを一気に焼き尽くした。

 火入れは湿原の森林化を防ぎ、背丈が低い希少な植物を守るため1989年から実施している。高さ1メートル付近の燃焼温度は220度にも達するが、地表や地下で休眠している動植物への影響はないという。6月ごろにはヨシやススキの繁茂を防ぐために青草刈りも行う。

 湿原では自生するノハナショウブなどが5月上旬ごろに芽吹く。同園の松江大輔学芸員は「例年になく(途中で)風向きが変わったが、よく焼けた。今後も植物の多様性を維持したい」と話していた。

 現在、冬期休園中の同園は3月15日に開園し、見頃となったミズバショウなどが大勢の観光客を迎える。

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