横浜市は水道使用量を自動で検針する「水道スマートメーター」の全戸導入に向け、電力会社が持つ電力スマートメーターの通信環境を活用した技術検証を進めている。2025年度は実際の住戸や店舗で大規模な技術検証を行い、28年度以降の順次導入を目指す。
電力との共同検針は、水道スマートメーターを東京電力パワーグリッドの電力スマートメーターに接続し、その通信ネットワークを利用して使用水量を送信するもの。検針員による検針業務が不要になり、担い手不足の解消も期待される。昨年8月から始まった検証はまだ水道局施設内での通信試験の段階だが、今年10月以降は保土ケ谷、中、西区の住戸や店舗などの協力を得て自動検針の検証を行う予定だ。
市は16日、市水道局中村ウォータープラザ(同市南区)で検証を報道陣に公開。水道スマートメーターを模擬の電力スマートメーターにつなぎ、通信試験が行われた。水道メーターボックスのふたの有無や素材、電力スマートメーターとの距離など条件を変えて電波強度を測定。水没させたり、土砂に埋めたりした場合など環境の変化を想定した試験も行われた。