使わなくなった消防の活動服でぬいぐるみを作り、子どもたちにプレゼントする-。そんな心温まる取り組みを、神奈川県海老名市消防本部職員の鈴木浩之さん(46)が考え、実行した。昨年12月のイベントで、ぬいぐるみを大事に抱きしめている子どもを見て、「活動服を人の心を動かすようなものに変えることができたうれしさがあった」と振り返る。
鈴木さんは現在、市消防本部消防署で管理課管理係長を務めている。長年、消防隊や救助隊などで勤務してきた。
家に帰れば、小学4年の女子児童の父親。仕事の傍ら、日常的に裁縫に取り組み、娘が着ていた洋服などを使ってぬいぐるみを作ってきた。「愛着のある洋服を捨てるなら、思い出として残すためにぬいぐるみに」との思いで作ると、娘は喜んでくれた。「一つとして同じものはできない。そこがまた面白いところ。人間みたいだなと思うことはある」。手作りのぬいぐるみに対する愛情は深い。
市消防本部では、約20年間変わっていなかった消防活動服を更新し、昨年12月から新たな活動服の使用を始めた。更新に伴ってロゴマークも一新。そのデザインは市内の小中学生を対象に募集し、300人以上の児童・生徒から応募があった。