タレント中居正広さんと女性とのトラブルにフジテレビ社員が関与していたとの報道を巡り、かつて同局のニュースキャスターだった神奈川県の黒岩祐治知事は21日の定例会見で「私を育ててくれた会社であり、残念でならない」と述べた。
その上で、17日に行われた同局の港浩一社長の記者会見で、報道機関による動画撮影を許可しなかった対応を疑問視。自身の経験も引き、同局は不祥事があれば記者会見を迫る立場であることを踏まえ「当然、中継されると思って注目していたが、映像もないと聞いてがくぜんとした。映像を撮らせないという意思決定がされたこと自体、信じられない」と語気を強めた。
トップの会見で踏み込んだ対応を示さず、広告主の大手企業が次々とCMを差し止める事態に発展しており「危機対応として問題だったと言わざるを得ない」と指摘。独立性を担保した第三者機関での徹底調査の必要性を訴え「ピンチをチャンスに変える大きな決断で、再生の道を進むことを期待したい」と語った。
黒岩氏は早大卒業後の1980年にフジテレビに入社。2009年に退職するまで報道番組のキャスターなどとして活躍した。