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神奈川で建造物唯一の国宝、火災から守れ 鎌倉・円覚寺舎利殿で防災訓練

カナロコ by 神奈川新聞 2025年1月24日 5時10分

 文化財防火デー(26日)を前に、国宝に指定されている円覚寺(神奈川県鎌倉市山ノ内)の舎利殿(しゃりでん)で23日、防災訓練が行われた。大地震を想定し、消防関係者や僧侶ら約60人が観光客の避難誘導などに当たり「いざ」に備えた。

 訓練は参拝時間中に地震が発生し、舎利殿から出火したと想定。火災を発見した僧侶らがレプリカの仏像を運び出し、119番通報した。到着した救急隊が舎利殿内部で逃げ遅れた負傷者役を救出した後、消防隊や境内に設置された放水銃による放水で消し止めた。

 舎利殿は源実朝が中国の宋から取り寄せた釈迦(しゃか)の歯がまつられていると伝えられている。室町時代末期の大火で焼失後に尼寺の仏殿を移築し再建され、県内の建造物では唯一、国宝に指定されている。

 同寺の須原安仁(あんじん)法務部長は「歴史のある文化財も多く、定期的な訓練で防災意識を高めていきたい」、鎌倉市消防本部大船消防署の森裕司署長は「実践さながらの訓練ができた。災害が発生しても被害を最小限に防ぐよう努めたい」と話していた。

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