中国で旧正月の「春節」に伴う大型連休が28日から始まり、神奈川県内でも訪日観光客の増加が見込まれる中、県警が無許可のタクシー営業(白タク行為)に警戒を強めている。訪日前にサイトやアプリを通じて手配していたケースも確認されており、県警は「取り締まりに注力し、実態解明につなげたい」としている。
29日の鎌倉市内。県警捜査員が鶴岡八幡宮近くで取り締まりに向けて警戒していたところ、1台の乗用車から観光客とみられる5人が降車した。車両はタクシーではなく、ナンバープレートは一般車両を示す白色だった。
捜査員が車両を停止させて話を聞いたところ、運転手は「知人からお客さんを運ぶよう頼まれた。金をもらう予定はなかった」などと述べ、白タク行為を否定。県警は同日、この車両を運転していた中国籍の男(52)=横浜市南区白妙町=を道路運送法違反(有償運送)の疑いで現行犯逮捕した。県警は、押収品などから共犯者がいる可能性もあるとみて調べている。
一方、乗っていた5人は中国籍で、捜査員に「旅行で来た。アプリを使ってタクシーを予約し、2日間約13万円で決済した。(正規の)タクシーだと思った」などと話したという。