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AIで怒鳴り声が穏やかなトーンに… 神奈川県、カスハラ対策でソフトバンクの実証実験に参加 自治体からは全国初

カナロコ by 神奈川新聞 2025年1月31日 5時30分

 神奈川県は職員へのカスタマーハラスメント(カスハラ)対策として、ソフトバンクが実用化に取り組む人工知能(AI)を活用した音声変換システムの実証実験に参加する。自治体からの参加は全国初。

 AIに膨大な音声を学習させ、怒鳴り声や威圧的な口調を穏やかなトーンに変換するシステムで、同社は2025年度中の実用化を目指している。

 県は28日から特定の部署に同社が開発中のシステムを配備。職員が電話対応で相手の口調が威圧的と感じた際に、システムを起動する。実証期間は半年で、電話応対する職員のストレス軽減に役立つかなどを検証し、同社に結果を伝える。

 県が職員を対象に実施したカスハラの実態調査によると、23年度に全職場の約4割に相当する部署でカスハラが確認された。県庁全体で年間1万回超、約6千時間の対応を余儀なくされ、全体の半数近い部署で職員に精神的・心理的な悪影響が生じるなど、深刻な実態が浮き彫りになった。

 頻回かつ長時間にわたる電話での要求に苦しむ職員の声も数多く報告され、県に予防措置を講じるよう求める意見もあった。

 こうした状況を知った同社が県に実証実験への参加を打診。県総務局は「実証結果を踏まえ、システムの本格活用を検討する」としている。

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