市内唯一のごみ焼却炉の稼働停止に加えて、4月から可燃ごみの戸別収集を一部地域で開始するため、鎌倉市の2025年度のごみ処理費用が、前年度と比べ4億1千万円増加する見込みであることが3日、分かった。市内のごみは最大180キロ離れた県内外9カ所の処理場まで運搬。全世帯で戸別収集が始まる2026年度以降は年間5億7千万円増となる試算で、県内平均の2倍近い市民1人当たりの年間処理費用2万1200円(22年度)が3千円以上を増える計算だ。
これまで年間2万2千トンの家庭ごみを焼却していた名越クリーンセンター(同市大町)は老朽化で3月で稼働を停止する。後継の処理場の建設計画も過去にはあったが頓挫。ごみ処理場を共同運営する自治体は多いが、鎌倉は全国でも異例の“自力”でごみを燃やせない自治体となった。
4月からは逗子、茅ケ崎、大和市と協定を結び、3市の焼却炉で計1万7千トンを処分。残り5千トンは千葉県袖ケ浦市や栃木県壬生町など6カ所の民間処分場で処理される。運搬費も含めて費用は年間7億円に上る。これまで同センターの運営費は年間4億5千万円で、2億5千万円のコスト高となる試算という。