神奈川県警は1月、鶴見署北寺尾駐在所(横浜市鶴見区)を「手話駐在所」として運用を始めた。勤務する長田幸治巡査部長(48)が市の登録手話通訳者の資格を取得。「少しでも、耳の不自由な住民の力になりたい」と意気込む。
長田巡査部長は2016年、同駐在所に配属された。巡回連絡で耳の不自由な夫婦と出会ったが、コミュニケーションがうまく取れず、夫婦から手話を教わった。
それをきっかけに地域の手話サークルにも通い、昨年3月に市登録手話通訳者の資格を取得。その知識を生かすため、県警は同駐在所を瀬谷署北新駐在所(同市瀬谷区)に次ぐ県内2カ所目の手話駐在所に指定した。
北寺尾駐在所のガラス戸には「手話駐在所」と表示されたタペストリーが掲げられている。今年1月30日には耳の不自由な鶴見区の職員が拾得物の手続きを問い合わせ、長田巡査部長が早速対応した。
県警内に手話クラブも立ち上げた長田巡査部長。現在12人が在籍しているといい、「手話への理解を深め、手話ができる警察官を増やしたい」と見据えている。