横浜発祥とされるナポリタンを「横浜のソウルフード」にしようと、横浜市内で活動する「日本ナポリタン学会」が発足から15年を迎えた。おいしいナポリタンを提供する同会お墨付きの店舗は少しずつ増え、同会の田中健介会長(48)は活動の成果として、ナポリタンの歴史などをまとめた著書を出版した。田中会長は「さらに活動を広げ、ナポリタンを県民食にしたい」と決意を新たにしている。
同会が発足したきっかけは、現在副会長を務める名古屋市出身の岩室晶子さん(64)=横浜市都筑区=の1通のメッセージだった。
「名古屋ではナポリタンではなく『イタリアン』と呼ばれることが多く、鉄板で提供される。なぜ横浜のナポリタンは皿に載っているのか」。交流サイト(SNS)を通じて疑問を投げかけられた田中会長は、ナポリタンと似た料理が名古屋にあることを知り、岩室さんとの交流が始まった。
2人は2009年2月、ナポリタン好きの横浜市民ら約200人を巻き込み、ナポリタンとイタリアンのおいしさを競うイベントを開催。同年9月にはイベント開催に協力したメンバーを中心に、市民ら約20人と同会を発足するに至った。
横浜のナポリタンをソウルフードにしようと活動する同会は、おいしいナポリタンを提供する飲食店を“お墨付き店舗”に認定。これまでに市内8区で37店(うち閉店または販売休止が15店)を認定したという。