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横浜・氷川丸の入館者400万人達成 戦中は病院船、3度の触雷も生還

カナロコ by 神奈川新聞 2025年2月8日 20時0分

 横浜市中区の山下公園前に係留されている日本郵船氷川丸の入館者が8日、400万人に達し、記念セレモニーが開かれた。完成当時に近い姿に大規模改修してリニューアルオープンした2008年4月から17年目で達成した。   

 記念の400万人目は川崎市中原区から家族4人で訪れた池田勇樹さん(36)。船に興味を持った長男(2)に見せてあげようと、初めて訪れたという。「びっくりしたがとてもうれしい。子どもにはいつか船旅に連れて行ってもらいたい」と笑顔だった。記念品として日本郵船の関連会社が運航するクルーズ船「レディクリスタル」のランチクルーズ4人分と氷川丸グッズが贈られた。

 所有する日本郵船によると、氷川丸は1930年4月25日に完工。太平洋戦争では海軍に徴用され、病院船に改装された。戦地から戦傷病者を日本に帰国させる任務のほか、軍艦などへの医薬品補給や船上での治療など多くの役割を果たした。

 終戦までの3年半でジャカルタやサイパン、マニラなどに赴き、計24回の航海で約3万人の戦傷病者を輸送したとされる。任務中に3度、触雷に遭ったが、他の船と比べて厚い鋼板で頑丈に造られていたことで沈没を免れたという。終戦後も復員の輸送にあたった。

 60年に航海を終え、翌年から山下公園に係留されている。2016年に国の重要文化財に指定された。

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