自動車メーカーと他業種の協業が盛んだ。若者の車離れで国内販売が伸び悩む昨今、子育てや車酔いといった特定のシーンを想定した製品を打ち出している。新たな顧客層を掘り起こす狙いだ。
「いないいない、ばあ」。両手を広げ、運転する親の代わりにチャイルドシートの子どもをあやす、赤いぬいぐるみ。2024年1月、日産自動車とベビー用品の赤ちゃん本舗(大阪市)が作った子守支援ロボット「イルヨ」だ。
後部座席に設置し、声で指示すると手を振る動作であやす。カメラが搭載され、運転席から子どもの様子を確認できる。車内置き去りを防止する安全機能も9月に追加した。
両社が22年に始めた協業は、若者の車離れが背景にある。低迷する子育て世代の消費を掘り起こそうと、ベビー用品とのタイアップに至った。日産担当者は「ファミリーの支持を獲得できる製品を生み出したい」と話す。