国政野党4党の争いとなった横浜市南区の市議補欠選挙で、野党第1党の立憲民主党が3位に沈んだ。今夏の参院選の「布石」(野田佳彦代表)と位置付け、党幹部を大量投入する異例の支援体制を敷いたものの、得票はトップの半数にも届かなかった。改選定数4の参院選神奈川選挙区で「2人当選」を目指す立民だが、内部からは「黄信号どころか赤信号がともった」との声が漏れている。
「今の党勢が選挙結果に表れた。大変重く、厳しく受け止めている」
補選の投開票から一夜明けた10日、立民県連の青柳陽一郎代表は険しい表情で総括した。
与党不在で必勝を期した選挙戦。ふたを開ければ当選した国民民主党はおろか、次点の共産党にも遠く及ばず、選挙区初参戦の日本維新の会にも約千票差まで迫られた。「うちの一人負け。惨敗だ」。党関係者は肩を落とした。
そもそも、党内には補選の対応を疑問視する向きがあった。定数4の南区で既に1議席を有しているため、たとえ勝利を収めたとしても、2年後の選挙で2枠を維持するのは至難の業だからだ。
現場の慎重論を押し切る形で決まった候補の擁立。市議の1人は「躍進著しい国民の勢いをそぎ、夏の決戦に弾みをつけたいとの思惑が働いた」と明かす。