横須賀市教育委員会は12日、2018年に市立中学校の男子生徒が部活動中の飛び込み練習でプールの底に頭部を打ち、下半身不随など障害を負う事故が発生したことを明らかにした。併せて損害賠償金約2億4100万円を支払う内容で生徒側と示談が成立したと発表した。市教委は「安全配慮の注意義務も含めて周知していたが、周知の徹底が十分ではなかった」と謝罪した。
市教委保健体育課によると、市立中2校が同年11月17日、市内の民間プールで水泳部の合同練習会を実施。中学1年の男子生徒=当時(13)=が飛び込み練習をしていた際、プールの底面に頭部を強打した。
外傷性頸髄損傷と診断され、両腕まひ、下半身不随が残った。男子生徒は昨年3月、高校を卒業し、現在、市外施設でリハビリに取り組んでいるという。
事故を受けて市教委は昨年10月、再発防止に向け技術段階に合わせた飛び込み指導などを盛り込んだ「市立中『水泳部』に関わる指導方針」を新たに策定した。新倉聡教育長は「二度と発生しないよう安心して部活動に取り組めるよう再発防止の徹底に努める」とコメントした。
市教委は今月13日開会の市議会3月定例会に示談に関する議案を提出する。損害賠償金については、日本スポーツ振興センターから障害見舞金など約4215万円がすでに支払われ、残りの約1億9900万円を24年度補正予算案に計上した。