Infoseek 楽天

【犯人の心理は?】記者が解説 元城南町議殺人事件の現場から見えることは

KKT熊本県民テレビ 2024年7月1日 19時27分

3年前に熊本市南区城南町で元町議の男性が殺害された事件で、警察は6月30日、別の詐欺事件の容疑者の男2人を強盗殺人などの疑いで逮捕し、7月1日に送検しました。

緒方大樹記者

県警担当キャップの緒方大樹記者とお伝えします。発生から3年1か月経っての逮捕でした。まずご遺族の方には長い時間だったことでしょうね。

容疑者2人の逮捕を受けて中村さんのご遺族は代理人弁護士を通じて「逮捕されたと聞き、安心しました」とするコメントを発表しました。

殺害された中村尊徳さん

殺害された中村さんは熊本市に合併前の旧城南町で1999年から2010年まで3期11年間、町議を務めました。その後は農業を営みながら地域の世話役も担っていました。

捜査本部は、現時点では容疑者2人と中村さんに面識はなかったと見ています。

まだわかっていないことが多い中、現場の状況などから何が見えてくるか、犯罪や非行に詳しい専門家に話を聞きました。

話を聞いたのは、ニュース番組などで解説を務める犯罪心理学者の出口保行さんです。事件の印象についてこう話しました。

犯罪心理学者・出口保行さん

■犯罪心理学者・出口保行さん

「今回の事件は非常に場当たり的展開が急進展してしまったということで迎えの車両を待つ余裕がなかったのだと思う。通常、被害者の車両を使って逃げると言うことはない」

「場当たり的な犯行」の要素が見られるとした上で、次のように指摘しました。

■出口保行さん

「この事件は2人だけで実行したと考えるのは難しい事件」

現場への移動方法などを考えると、他に共犯者がいてもおかしくないといいます。

■出口保行さん

「今回の事件もまさに窃盗集団であると言ってもいいのかもしれません(窃盗)グループの存在が背景にあると考えている」

「窃盗集団」という言葉が出てきました。実は容疑者2人は、ほかにも複数の事件に関わったとみられています。

関連事件の時系列

城南町の事件が起きたのが2021年の5月24日ですが、この11日後の6月4日に大阪市の百貨店で他人のクレジットカードを使ってスーツの仕立券170万円分をだまし取った詐欺の疑いで逮捕され、30日に起訴されました。さらに陳野容疑者は約1年半後の2022年12月に奈良県の住宅で1億9000万円相当の禁固や貴金属を盗んだ窃盗グループの実行役として逮捕・起訴され、実刑判決を受けています。

城南町の強盗殺人事件の後に、次々に事件を起こしていることになりますね。

奈良県の事件では、指定暴力団・山口組系の暴力団幹部が「情報提供役」だったことがわかっています。

強盗殺人のような重大事件を起こした犯人は、その後、捜査の手を逃れるために大きな犯罪を避ける傾向もありますよね。

KKT熊本県民テレビ

このように犯罪を繰り返していたのだとすれば、出口さんの指摘にもあったように背後に犯行を指示する共犯者の存在がある可能性が高いと考えることができます。

3年あまり経って急展開した未解決事件、捜査本部は共犯者の存在も視野に慎重に捜査を進めています。

この記事の動画はこちらから再生できます

この記事の関連ニュース