強い台風10号は、30日明け方にかけて熊本県内に最も接近し、29日夜に上陸する可能性があります。
台風10号は29日午後3時現在、強い勢力を維持したまま1時間に約15キロの速さで北上しています。熊本県内は全域が風速25メートル以上の暴風域に入っています。益城町では午前9時23分に30.3メートルの最大瞬間風速を観測しました。
湯前町では、降り始めからの雨量が500ミリを超えました(503.5ミリ 29日午後3時まで）
県内は30日にかけて、多い所で1時間80ミリの猛烈な雨が予想されています。30日正午までの24時間に降る雨の量は、多い所で400ミリとなる見込みです。また県内では30日午後にかけて線状降水帯が発生し、災害の危険度が急激に高まるおそれがあります。
現在、上天草市、天草市東部、山都町東部、多良木町、水上村、相良村、五木村、あさぎり町に土砂災害警戒情報が発表されているほか、県内の広い範囲に大雨･洪水警報、全域に暴風警報が出ています。また、上天草市、宇城市、八代市などの沿岸部に波浪･高潮警報が出ています。
そして、県内38の市町村で避難指示が発表されています。
また、氷川町では避難所から荷物を取りに帰った80代の女性が転倒し骨折するなど県内で4人がけがをしています。
交通への影響です。JR九州は午前9時半頃から九州新幹線の運転を見合わせています。熊本駅では29日朝、動いているうちに乗ろうと駆けこむ利用者の姿が見られました。
■博多に行く女性
「今から博多に行きます。変更してもらったっていう感じなので、今回運良く取れたみたいだったので」
■新大阪に帰る男性
「新大阪に帰ります。今、切符を買えました、とりあえず博多まで」
30日は、新幹線、在来線ともに始発から運転を見合わせるほか、県内5つのバス会社も29日と30日、全ての路線バスと高速バスを運休します。また高速道路は植木から鹿児島インターの上下線などが通行止めとなっています。