来年春に卒業する高校生向けの熊本県内事業所からの求人倍率が9月末時点で3.72倍となりました。職を求める高校生1人に対し求人が3件以上あり、統計を始めてから最も高くなっています。
熊本労働局によりますと、来年春に卒業予定の高校生の求職者数は9月末時点で3082人でした。このうち、県内への就職希望者は1968人で、去年の同じ時期より2.6%増えています。一方、県内の事業所からの求人数は7324人で、去年の同じ時期より5.1%増えています。
このため、高校生1人に対する県内事業者の求人を表す求人倍率は、9月末現在で3.72倍に上り、労働局が統計を取り始めた1990年以降、最も高くなりました。
産業別では製造業が最も多く、次いで建設業、医療・福祉となっていて、この3つの産業で60%以上を占めています。
■熊本労働局 植木洋之職業安定部長
「コロナ禍で採用を控えていた企業が求人を出し始めている。事業所も年齢層が高齢化していて、若い人を採用したいという意欲のある企業が増えている」
【スタジオ】
背景には、高卒で就職をする生徒が減っている現状があります。熊本県教育委員会によりますと、去年3月に高校を卒業した生徒のうち、大学などに進学する生徒が49%、就職する生徒は23%で、就職者の割合は年々低くなってきています。
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