熊本市が計画している市庁舎の建て替えをめぐり、市議会の自民党が分裂する事態になっています。
熊本市議会の自民党勢力はかつて一つでしたが、4年前に市庁舎建て替えに対する考え方などを含む「意見の不一致」を理由に、「自民党熊本市議団」と「熊本自民党市議団」に分かれました。
そして9月、定例市議会で庁舎の建て替えに向けた関連の予算案をめぐって、「熊本自民党市議団」に所属する4人が「市民の理解が得られていない」などとして反対。さらに考え方に違いがあり、2人は「創生熊本市議団」を、残りの2人が「新風自民党熊本市議団」を結成するに至りました。
このため自民党系の会派は今、4つに分かれています。こうした動きに対し、自民党県連の前川收会長は次のように話しています。
■自民党県連 前川收会長(28日の会見)
「政策を1つにする努力をして1つにまとまるべきだというのが県連の考え方であり、そのことは全く変わっていません。願わくば、まとまっていただきたいと思っています」
一方、地方政治に詳しい熊本大学の伊藤洋典教授は「市庁舎建て替えをめぐり住民投票の動きがあるなど市民の中にも多様な意見がある中、 会派が分かれても議論が活発になれば、市民の意見を反映することにつながる」と話しています。