同性婚をめぐり全国で同性カップルらが国を訴えている裁判で、東京高裁は30日、同性の結婚を認めないのは憲法に違反するという判断を示しました。同様の裁判で判決を待つ熊本の男性カップルも、現地で判決を見守りました。
この裁判は、国が同性婚を認めないのは法の下の平等などを保障する憲法に違反するとして、都内の同性カップルら7人が国を訴えているものです。東京高裁は30日、「同性間の関係に男女の婚姻と同様の保護を与えることについて、社会的受容度は相当程度高まっているといえる」と指摘。「法的利益を受けることに区別が生じている状態を維持することに合理的根拠はない」として、同性婚を認めない規定は憲法に違反すると判断しました。同性婚訴訟をめぐる控訴審での「憲法違反」の判断は、今年3月の札幌高裁に続き2例目です。
熊本在住で、九州訴訟の控訴審判決を待つ原告のこうぞうさんとゆうたさんは東京で判決を見届け、思いを述べました。
■こうぞうさん
「とてもいい二重丸、花丸な判決だったなと感じて、とてもうれしく思いました」
■ ゆうたさん
「意識調査を見ると、年を追うごとに賛成する者が増えて、反対する者が減っているという実態を踏まえて、今回、こんなちゃんと判決文を書いてくださった」
九州訴訟の控訴審の判決は、福岡高裁で12月13日に言い渡される予定です。
【スタジオ】
27日に投票が行われた衆院選では、同性婚の法制化も争点の一つとなりました。
日本テレビが通信社の協力のもと、候補者に行ったアンケートの結果です。
与党では、自民党は「どちらとも言えない」と答えた候補者が最も多く、公明党は「やや賛成」と答えた候補者が最も多くいました。
一方、野党では、立憲民主党、日本維新の会などは「賛成」と答えた候補者が最も多く、国民民主党は「どちらとも言えない」と答えた候補者が最も多くいました。
30日、判決を見守った熊本の原告2人は、「同性婚訴訟は人権問題で、一刻も早く解決すべき課題。唯一の立法機関としての国会の役割をどの内閣、どの政党になっても果たしてほしい」と語りました。
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