親が育てられない子どもを匿名でも受け入れる『こうのとりのゆりかご』。運用を検証する専門部会から「親が匿名を貫くことは容認できない」との見解が出たことを受け、慈恵病院は実名が前提となれば「存在が否定される」として、質問状を提出していました。31日、熊本市と専門部会が「必要に応じて匿名性を容認する」と回答しました。
熊本市の慈恵病院が設置している「こうのとりのゆりかご」の運用をめぐっては、学識者による専門部会が国などに提言などを行うため3年に1回報告書をまとめています。ことし6月にまとめられた報告書には生みの親について「最後まで匿名を貫くことは容認できない」と記載されました。これにより、母親が扉の前まで来たものの預け入れをためらったケースがあったとして、慈恵病院の蓮田健理事長は熊本市と専門部会に対し真意の説明を求めていました。
31日の回答で、市は「母の意向を尊重し十分な配慮をした上で対応する」と回答。専門部会も「実名を告げなければ預けられないという制度では存在意義はない」として、いずれも必要に応じて匿名性を容認する考えを示しました。回答を受けた蓮田理事長は。
■慈恵病院・蓮田健理事長
「(市や専門部会は)立場上明確にはお答えになりませんでしたが、少なくとも匿名性を容認できないという文言は無くなりましたので私はそれでいいじゃないかと思っています。」
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