書店の休業や廃業が続く中、全国で初めての打開策がスタートです。
■東島大記者
「1000円で1300円分の本が買える プレミアム付き図書券。こちらの書店では開店前から店頭に特設コーナーを設けて対応しています」
プレミアム付き図書券は、1000円で1300円分の本が買える図書券で、ひとり10枚、1万円分まで購入可能です。プレミアム付き図書券は全国初の試みです。
■購入した客
「翻訳物が今すごく高いんですよ。ハードカバーは3000円とか4000円とかする。それ買おうかな思っています」
「子どもが絵本が好きなのでこれからクリスマスプレゼントに用意したいなと思って」
「私たちも安く買えていいですし書店さんにも、本離れ、活字離れが多くなっている中大変いいことだと思います」
全国で書店の閉店が問題になっています。県内でも創業150年と最も古かった長崎次郎書店がことし6月末に休業したほか、白山通りに長く店を構えていた大型書店も姿を消しました。県内で書店が1軒もない自治体は市町村の半数近くにのぼっています。
長崎書店の社長、長﨑健一さん。経営を任されていた長崎次郎書店の休業は、苦渋の選択でした。ことし6月、健一さんは業界団体に提言書を出しました。「書店が生き残るためには」。その思いを込めた提言の中に、今回のプレミアム付き図書券につながるアイデアが含まれていました。
■長崎書店・長﨑健一社長
「お客様に来ていただくきっかけとなるのは、リアル書店でお買い物するとメリットがあると、それを感じていただくのがまず最初の入り口かなと」
法律で本は定価での販売が義務づけられています。しかしプレミアム付き図書券なら事実上の値引きができるうえ、書店でないと使えません。問題はその財源でした。
■長﨑健一社長
「今回は熊本県の補助金の制度を使いまして、それを申請することで可能になりました」
コロナ禍などで国や自治体が行った商店街の振興のための補助金を書店に活用した試みは全国で初めてで、すでに全国の書店から問い合わせが来ているということです。
■長﨑健一社長
「来店客が減少してるとか売り上げが減ってきているのはもう日本全国どの書店でも同じ課題として苦しんでおられますので、こういった明るい話題うちの書店でできるかもしれないっていう希望が熊本からどんどん広がればいいなと思っております」
【スタジオ】
(緒方太郎キャスター)
ひとり10枚・1万円まで購入可能でなくなり次第終了。すでに県内の書店では販売が終了した所も出ているということです。来年1月15日まで組合に加入している県内17の書店で使えます。
熊本市では長崎書店・金龍堂まるぶん書店・熊文社の3店舗。熊本市外で使える店など詳細は長崎書店のホームページか、熊本県書店商業組合事務局(電話:096-344-3831)にお問い合わせ下さい。
この記事の動画はこちらから再生できます