朝晩冷え込み、秋が深まると恋しくなる鍋料理。しかし、鍋料理に欠かせない野菜の高値が続いています。
カツオや昆布などのダシに白菜や大根など野菜がたっぷり入った熊本の郷土料理を代表する「だご汁」が名物の店。寒さが本番を迎えるこれからの季節に人気のメニューなのですが…。
■御食事処なかむらマスター 中村健次さん
「高いね。ネギなんかは倍以上すんじゃないかな、今年は」
ほとんどの野菜の仕入れ値が、例年の倍近くになる一方、価格に転嫁できない現状に頭を抱えていました。
■御食事処なかむらマスター 中村健次さん
「ちょっと辛抱して野菜の量を減らすとかそれくらいしかできんもんね。値段を上げたら上げたでお客さんがまたあれだから…難しいところよ」
野菜の高値は、スーパーも直撃しています。
■永島由菜アナウンサー
「熊本市のスーパーです。この時期にぴったりの鍋をオススメするコーナーがあるのですが、鍋に使う葉物野菜を中心に野菜が値上がりしています」
■台信商店 青果部チーフ 倉本健太郎さん
「葉物野菜を中心に結構高い値段で続いている状態です。キャベツが今、一番高騰しているんじゃないかな」
熊本大同青果によりますと、卸売価格は前の年に比べてキャベツは1.9倍。水菜は1.7倍、白菜は1.4倍の高値になっています。今年の異常な暑さや天候不良が、生育や出荷量に今も影響を及ぼしているということです。
秋本番でそろそろ鍋を始めようとする人たちも、長引く高値に手が出しづらいようです。
■女性
「考えもの。鍋は温まるからいいけれども、色んな具材がいるから高くつきますね」
■男性
「欲しいものがあっても、(高いので)ああ…ってなって、違うのに安いものになってしまう。野菜の高騰が続くと、肉だけとか魚だけとか、だしがメインのような鍋になってしまう」
この店では、キャベツ1玉が322円(税込)と高値のため、2分の1カット182円(税込)でも販売。より安い値段を求める客も多く、「売れ行きはいい」といいます。
さらに。
■台信商店 青果部チーフ 倉本健太郎さん
「ほぼ仕入れ値と同じ値段で販売している状態です」
キャベツ1玉の値段は、仕入れ値よりも10円ほど安く設定。赤字を出しながらも、消費者に安く届けたいと試行錯誤の日々が続いています。
■台信商店 青果部チーフ 倉本健太郎さん
「他のところでなんとか利益を確保して、お客さんが欲しがる葉物野菜だったりとかをなるべく安く提供しています」
【スタジオ】
■再撮CG鍋
(倉本彩キャスター)
逆に安くなっている野菜はあるんでしょうか?
(緒方太郎キャスター)
熊本大同青果によりますと、ニンジンとタマネギが前の年を下回っていて、バレイショ=ジャガイモは平年並みの価格だということです。こうした“お手頃野菜”でおすすめの料理を伺ったところ、カレーや肉じゃがのほか、キノコは比較的価格が安定しているので、バター炒めやキノコ鍋といったキノコ料理もおすすめだということです。
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