南関町にある2か所の産業廃棄物処分場の井戸から、国の指針を超える有機フッ素化合物の一種PFOS・PFOAが検出されました。PFOS・PFOAは体内に入ると、がんなどいろいろな病気になるリスクが上がるおそれがあるといわれています。熊本県は2か所の井戸周辺の水質調査を進めていて、結果が出るまで井戸の水を飲まないよう呼びかけています。
熊本県の木村敬知事は27日の定例記者会見で、県内19か所の産業廃棄物最終処分場周辺の井戸を調査した結果、南関町の2か所で国の指針である1リットルあたり50ナノグラムを超える濃度のPFOS・PFOAが検出されたと発表しました。
一つは県が出資する最終処分場「エコアくまもと」の敷地にある井戸で、1リットルあたり最大200ナノグラムのPFOS・PFOAが検出されました。熊本県は、処分場内の水質に異常がないことや、さらに上流にある井戸でも基準超えが確認されたことから、処分場が原因ではないと断定しています。
もう一つは南関町の肥猪地区にある民間の最終処分場敷地内の井戸で、1リットルあたり約90ナノグラムを検出しました。処分場からの排水が基準値を下回っていたことから、熊本県は処分場が原因ではないと説明しています。
【スタジオ】
(緒方太郎キャスター)
今回、検出された有機フッ素化合物の一種、PFOSとPFOAは、国際条約で製造や輸入が禁止されています。規制が進む一方で、まだ地下水や土壌などには残っているんですね。2つの最終処分場はどれほど離れているんでしょうか?
(畑中香保里キャスター)
熊本県は民間の施設を明らかにしていませんが、2つの最終処分場の距離は数キロだということです。
熊本県は、国のマニュアルに従い井戸から半径500メートルの範囲にある15の事業所に対し、PFOS・PFOAを含む資材を使用したことがないか聞き取りも始めています。また、この範囲の南関町と和水町の個人と事業所の井戸46か所の水質検査を進めています。
(緒方キャスター)
今回の結果は監視用の井戸で飲み水用の井戸から検出されたわけではありませんが、健康への影響が心配ですね。
(畑中キャスター)
熊本県は26日までに周辺の住民に対し説明会を開き、検査結果が出るまで井戸水を飲むことを控えるよう注意喚起しました。原因の特定が待たれます。
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