11月29日は「いい肉の日」だけではありません。「いいにくいことをいう日」でもあります。体の悩みも、いいにくいことのひとつです。言いたくても言いにくい女性の「生理」にまつわる悩みを考えます。
生理中に感じる痛みやつらさは1人1人異なります。我慢せずに、社会全体で話しやすい風潮はどうしたら実現するのか。生理をめぐる熊本の声に耳を傾けます。
熊本市で、生理についてどう思うか聞きました。
■20代女性
「(生理中は)お腹痛かったり、ちょっと情緒が不安定になったりします」
■50代女性
「男性にはちょっと生理痛っていうのをもう少し理解してほしいかな。ひどい時って貧血を起こすじゃないですか」
女性特有の生理痛。労働基準法で定められた「生理休暇」については。
■20代女性
「生理休暇って直接的な名前だから、言いづらいなって思うことはあります」
■男性
「会社でそういう部下だったりとか、なるべく取りやすいような環境を作っていけたらと思っています」
生理の悩みを抱え込まず、みんなで理解する社会を作るためには。緒方太郎キャスター、この課題に向き合っている学校をたずねました。熊本市中央区の真和中学・高校です。
高校3年の女子生徒が案内してくれたのは女子トイレ。(利用者がいない時に撮影)
■真和中学・高校 岡田椛稟さん(高3)
「こんな感じで、後ろのところにナプキンを入れておいて、そこから自由に取って使えるとなっていて。(女子)トイレの個室全部に設置しています」
生理中でも安心して学校生活が送れるようにと、生徒の発案でおととし、生理用品の常備を始めました。
■真和中学・高校 小島澄麗さん(高3)
「生理になった時に、男子に見られないようにナプキンをトイレに持っていくとか結構あって、常設化したことでそういう不安もなくなって」
ただ、これはあくまできっかけです。生徒たちは、生理について男女間のコミュニケーション不足を感じていました。そこで去年、男女で座談会を開き、心にとどめていた意見を交わしました。
(女子生徒)
「生理前のイライラなど情緒の不安定さを理解してもらえない」
(男子生徒)
「男子にはわからないという固定概念が根付いているのではないか」
男女関係なく、生理による体調不良をおもんぱかり、理解が進む社会へ。
■真和中学・高校 小島澄麗さん(高3)
「男子も『女子はこういうことに苦しんでいた』と理解が進んでいくから、男女で生理について話し合う機会がもっとあれば、生理についてもっとみんなが優しくなると思います」
【スタジオ】
(緒方太郎キャスター)
思春期のうちから性別の垣根を越えて理解が深まるといいですね。
(永島由菜キャスター)
漢方などを取り扱うツムラが、生理をめぐる本音についてアンケートを行いました。女性6000人の約85%が、生理前後や生理中に頭痛や腹痛、イライラなどの症状があると答えています。
このうち34.2%が、周囲に「言いづらい」と考えているんです。「みんなも我慢していると思う」、「恥ずかしい」などが理由としてあげられています。
(緒方太郎キャスター)
3人に1人が、言いづらさを感じているんですね。
(永島由菜キャスター)
一方で、言いづらいと考えている8割以上が、生理のことを「もっと気軽に伝えたい」と答えています。ツムラでは、「みんなが自分ごと化」という意識が大切だと話します。
■ツムラ コーポレート コミュニケーション室 宮城英子さん
「生理を経験していない人とか、生理があっても人によって症状が軽い人から重い人までいろいろありますので、女性の健康課題をみんなが自分ごと化すること、そういった取り組みも一つ大事なのかなとは、最近やる中で感じているところです」
(永島由菜キャスター)
話したいと思う人が気軽に話して相手も受け入れる。そんな優しい社会が求められています。
この記事の動画はこちらから再生できます