子どもたちの成長を支える「給食」をめぐって、国会で無償化するかどうかという議論が熱を帯びています。熊本県内の実態はどうなっているのでしょうか。
■立憲民主党 城井政調会長代理
「昨今の物価高も相まって、やはり苦しいというご家庭が多いという状況。学校給食を無償化するというやり方での今回の法改正の提案をした」
23日、立憲民主党・日本維新の会・国民民主党の3党が、公立の小・中学校の給食費を無償化する法案を共同で提出しました。給食費の標準的な金額を国が学校に交付することで、実質無償化を目指しています。
この法案に、子どもを育てる人たちはどう思うのか、熊本市で聞きました。
■子どもが来年小学生
「月何千円がなくなって、それ以外のところに回せるかなとは思います」
■子どもが3歳と1歳
「何にでもお金がかかるから、少しでもお金を削減してもらえたらうれしいなというのがある」
また小学1年の男の子に、どんな献立が好きなのか聞くと…。
■小学1年生
「オムレツ」
Q何でオムレツが好きなの?
「トマトが嫌いだったけど、甘くなったから好きになった」
食育の意義もある給食。費用の補助は、それぞれの自治体の判断に委ねられています。熊本県教育委員会によりますと、県内では現在、14市町村が給食費を無償化しています。来年度からは菊陽町でも無償化し、嘉島町では第1子を半額に、第2子以降を無償化します。
教育財政などが専門の日本大学の末冨芳教授は、法案の意義をこのように捉えています。
■日本大学 末冨芳教授
「首長、教育長含めて何とかできないかという声が年々大きくなっていたので、学校給食の無償化が実現されることは、大変大きな意義があると捉えています」
野党3党は、来年の通常国会で法案を成立させ、4月1日からの実施を目指しています。
【スタジオ】
(畑中香保里キャスター)
給食費無償化の議論が始まっていますね。
(緒方太郎キャスター)
日本大学文理学部の末冨教授は、給食の本質的な課題を指摘しています。一つは「質・量」です。末冨教授によりますと、食材が豊かな自治体と、「育ち盛りなのにこれで大丈夫?}という自治体の格差が大きいそうです。
さらに給食を提供する「働き手の待遇改善」も課題です。限られた時間で給食をつくる熟練された技術をもっと評価しないと、人材不足を招きかねません。
無償化の議論をきっかけに、子どもたちの成長を支える本質的な課題にも目を向け、解決してほしいですね。
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