熊本市の大西市長は24日、市電の延伸計画について延期も含めスケジュールを見直すよう指示したことを明らかにしました。「安全対策を優先させるため」としています。
■熊本市・大西一史市長
「レールの緊急補修等今後取り組むべき市電の安全確保を確実に実行して、最優先に取り組むため現在進めております。市電の延伸事業については延期も含め、現在のスケジュールを見直すよう私の方から指示をしました」
熊本市電をめぐっては、健軍町電停から市民病院前までの約1.6キロで延伸が計画されていて、熊本市は2031年度の全線開通を目指していました。しかし熊本市電では去年1年間に安全に関わるトラブルが16件発生し、このうち大みそかにはレールの幅が広がったことによる脱線事故が起きました。
大西市長は、この脱線事故を重く見ていて、今年度中に全線のレール幅の点検・測定を行う方針を明らかにしました。また安全対策を最優先に進める上でそれが延伸事業の実施設計にも影響することを踏まえ、延期も含めてスケジュールを見直すということです。
延伸事業では、今年度から来年度に予定していた実施設計の費用4億2000万円が去年9月に市議会で承認されています。市は議会に対し、現状を報告したうえで予算について取り下げも含めて議会に諮るとしています。
【スタジオ】
(緒方太郎キャスター)
スケジュールの見直しを指示したということですが、延期が決まった場合、2025年度までに行うとしていた実施設計、2026年度からの着工、2031年度の全線開通などのスケジュールがずれ込むのは確実だということなんです。そして、経営の改善などを目的とした「上下分離方式」は当初、今年の4月の導入を予定していましたがすでに来年に延期されていました。これについては「運転士の処遇改善は安全対策にも繋がり急ぐべきことで今のスケジュール通り進める」ということです。
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