「わかるようでよくわからない」、「そもそもこのニュースって何だっけ?」そんな素朴なギモンを解決する「県民のギモン」。今回のテーマは、「全国初!熊本市が大腸がん検診を無償化へ」です。
(中村絵奈さん)
なぜ今、大腸がんなのか?「県民のギモン」を聞きました。
熊本市の大西一史市長は、2月10日の定例記者会見で、55歳から59歳の市民を対象に大腸がん検診を無償化する計画を発表しました。
■熊本市 大西一史市長
「我々としては、何かインパクトのあることをしっかりやっていきたいなという思いを持っていました」
実現すれば、自治体として全国で初めてという大腸がん検診の無償化。ところで、大腸がんや内視鏡検診のこと、みなさんどれくらい知っているのでしょうか?
熊本市の繁華街で聞きました。
■30代男性
「あまりイメージはつかないですけど、何かきつそうだなというイメージしかないですね」
■70代男性
「最初は内臓にカメラを通すので痛いのではないかと抵抗があったが、実際に受けてみると、気がついたときにはもう終わっていた。病院によって値段が違ったりするのかとか、(内視鏡検診は)実費だったらどのぐらいかかるのかなというのが気になります」
■50代女性
「やっぱり、手出ししないと受けられないものだと思っているので、健康診断で引っかかったら受けないといけないもの。何で大腸がんだけなのかというのは、ちょっとギモンですね」
さあ、今回も、緒方太郎キャスターにギモンをぶつけていきます!まずはこちら。
▼ギモン①「どうして無償化へ?」
そもそも、どうして急に無償化を目指しているのでしょうか?
(緒方太郎キャスター)
熊本市の一番の狙いは「早期発見、早期治療」に結びつけたいということです。熊本市によりますと、市民で亡くなる人のうち、約4人に1人が「がん」が原因だというデータがあります。
さらに、日本人に一番多いのが「大腸がん」なんです。ちなみに「がんの種類別死者数」では大腸がんは2位です。
(中村絵奈さん)
他のがんに比べて大腸がんの人は多いんですね。そうなると、検診で早期発見は大切ですよね。
(緒方太郎キャスター)
そうですよね。ところが熊本市のがん検診の受診率をみると、子宮頸がんや乳がんは10%を超えていますが、大腸がんは5%前後と低いままです。
(中村絵奈さん)
なぜこんなに低いのでしょうか?
(緒方太郎キャスター)
熊本市は、大きく分けて2つの要素があるとみています。ひとつは「何となく不安」というものです。
(中村絵奈さん)
街の声でも「きつそうなイメージ」と話す人がいました。
(緒方太郎キャスター)
内視鏡検査について痛いのではないかという気持ちや、前日からの食事制限、下剤を飲まないといけないなど不安があることから、検査を避けるケースもあると熊本市は見ています。
そしてもう一つは費用です。一般的に、大腸がんを調べる内視鏡検診の費用は2万8000円ほどと言われます。そこで、熊本市は費用を無償化することで検査をするきっかけを増やそうということなんです。
今回、無償化の対象となるのは55歳から59歳の1000人です。この年代は、大腸がんの患者が増えるとされる年齢です。熊本市は、内視鏡検診を無償化するため、事業費3920万円を新年度の予算案に計上しています。
(中村絵奈さん)
今回、私は対象ではありませんが、大腸がん検診のことについて考えるきっかけになりました。
(緒方太郎キャスター)
内視鏡検査でポリーブなどが見つかればすぐに除去することもできるので早期の発見や予防にもなります。ご自身や家族の健康を考えるきっかけになればと思います。
この記事の動画はこちらから再生できます