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【中継】能登半島地震から半年 氷見市のいま 上野キャスターがリポート 

KNB北日本放送 2024年7月1日 19時17分

能登半島地震の発生から7月1日で半年を迎えた氷見市では、住宅の再建やコミュニティーの維持が課題となっています。

被害の大きかった北大町から中継です。上野さん。

日中は強い日差しが照り付けていた氷見市内です。

ここ氷見市は半年前、震度5強の揺れと液状化現象に見舞われました。

市内では6300件余りの住宅に被害がありそのうち225件が全壊しました。

私の後ろにある倒壊した建物は、6月25日に行政が費用を賄う公費での解体が始まったばかりです。

一方でここ北大町では、町の外に引っ越した人と町に住み続ける人に二分されています。

液状化対策には数年を要するため、住宅の再建やコミュニティーの維持が今後の課題となっています。氷見の人たちに今の思いを聞きました。

地震の発生から、1日で半年。

氷見市の喫茶店では地区の住民が、石川県で犠牲となった人たちに黙とうをささげました。

黙とうした 清水千恵子さん

「ごめんなさいね…まだ見つかっていない人たちを、見つけてあげてほしい…」

上野キャスター

「6月25日に公費解体が始まった氷見市北大町の家屋です。ご覧のように、きょうも足場を組んで作業が続けられています」

公費解体が進む北大町。

足場が組まれ、部材や粉じんが飛び出さないようにされています。

工事関係者によると、重機を使っての解体作業のめどはまだ立っていないということです。

北大町にある、清水さんの住宅。

築20年余りで一見、被害を受けていないようにも見えますが、2024年1月に取材したときは…

傾いてしまっていて、り災証明で「半壊」の判定を受けました。

清水眞人さん

「これからどうしようかなと」

清水あや子さん

「お金もかかりますしね。まっすぐにするにも途方に暮れてますよね」

地震から半年。

1日、改めて清水さんの家を訪ねると。

清水あや子さん

「左足が苦痛なので、板をのせてもらった」

台所で水平に立つことができるようにと、板が取り付けられていました。

家の傾きは、今もそのままです。それでも…

清水あや子さん

「24年前に道路がつくことで建て直している。自分で1から計画して執着がある。」

自宅を解体せずに、修理しながら住み続けることを選びました。

しかし、業者に見積もりを出してもらうと、その修理費用は…

上野キャスター

「2200万円」

清水眞人さん

「プラスアルファの金額。家1軒建つくらい」

上野キャスター

「これでは収まらない…」

土地全体で十分な液状化対策を施す場合には、総額で3000万円を超えるということです。

清水眞人さん

「我々も高齢者なので、長い間ここにいないと思うので、自分たちのできる範囲の工法で水平に保って生活した方がいいかなと思っている」

氷見市北部の姿地区でも、住宅などに大きな被害が出ました。

倒壊して道路をふさいでいた家屋は、すでに公費による緊急解体で撤去されています。

およそ60世帯が住んでいた姿地区。

およそ4分の1が集落を離れました。

長福寺 北鹿渡文照住職

「過疎がこの地震で拍車をかけたような感じ。帰ってこようという気持ちになってくれたら、そういう村づくりを頑張るしかない」

姿地区の集落の高台にある長福寺の北鹿渡住職です。

毎朝6時についていた鐘が、地震による損傷でつけなくなっていましたが、3月に修理が完了。

住民の生活の一部となっている鐘の音が、集落に戻ってきました。

また住職は、住民に向けて毎月1日に掲示板にメッセージをしたためています。

7月1日掲示したのは…

長福寺 北鹿渡文照住職

「不幸せは自分が作り出すもの。幸せはどんな状況にあっても自分で見出すもの…、大変な被害で精神的に落ち込んでいる。絶対的な幸せを見出して元気が出るようにこの言葉を選びました」

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