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被災者が元の生活取り戻すには多くの課題が 富山県内 能登半島地震からの復旧・復興の現状は

KNB北日本放送 2024年7月1日 19時17分

1月1日の能登半島地震から半年。

県内では、被災した道路などの復旧が進む一方、被災した人たちが元の生活を取り戻すには多くの課題が残っています。

6月11日、能登半島地震で被害を受けて通行止めとなっていた小矢部市の国道359号が通行再開しました。

およそ100メートルにわたって崩れ落ちるなど大きな被害を受けていましたが、県が長さ150メートルの仮設の道路を整備しおよそ5か月ぶりに通行できるようになりました。

県は2024年度中に本格的な復旧に着手します。

県内では現時点で道路や橋など203か所の被害が報告されていて、順次復旧工事が進められています。

また、農業への被害も各地で相次いで確認され、被災した農地や水路は2000か所を超えました。

このうち、氷見市の田んぼではひび割れが起きたり排水路が壊れたりしてイネの作付けができなくなったところがありました。

加納営農組合 坂耕一組合長

「コメはもうダメだと、そしたらほかのものを作らないのも選択肢というふうにも思ったんですけども…、何も作らなければ収益上がりませんから」

そこで一部の農家では、お茶やせんべいの原料で少ない水でも育つハトムギを代わりに植え付けることにしました。

なりわいの再建に向け歩みを進めています。

地震の影響は県内の観光にも。

黒部峡谷鉄道は、落石被害により2024年のトロッコ電車の全線開通を断念。

これに伴い、県は新たな観光の目玉としていた「黒部宇奈月キャニオンルート」も年内の一般開放を見送りました。

被災したことで休業を余儀なくされていた観光や宿泊の施設のなかには、復旧工事などを経て営業を再開したところもあります。

一方で、復旧が思うように進んでいない地域も…

液状化現象による被害は県内5つの市で確認されていて、国交省の3月時点のまとめではおよそ2000件と推計されています。

被災した自治体では、液状化被害への対策を検討するために地盤を掘削するボーリング調査を行っていますが、本格的な復旧工事はまだ先になりそうです。

県のまとめによると今回の地震では県内で52人がけがをしました。

また、住宅への被害は甚大で2万件を超えています。

市町村別では氷見市が6300件あまり高岡市が5400件あまりです。

このうち住宅が半壊以上の被害を受けて公営住宅や、賃貸型応急住宅に住まいを移している人は県内で252世帯622人にのぼります。

公費による家屋の解体は始まっていて、対象となる建物は5つの市あわせて1270件ありますが、申請はおよそ4割にとどまっています。

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