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猛暑の影響を防げ コメ品質低下防止へ農家の挑戦

KNB北日本放送 2024年8月16日 21時57分

イネの穂が育つ時期を迎えている中、今年も厳しい暑さが続いています。去年は猛暑がコシヒカリの品質に大きな影響を与えました。品質低下を抑えようと模索する富山県内の農家の今を、岡田記者がお伝えします。

7月末に穂が出たコシヒカリ。最高気温が連日30度を超える中で少しずつ育っています。

立山町のコメ農家 元智浩司さんは、親から農地を引き継ぎ3年目。コシヒカリや富富富など、あわせておよそ8ヘクタールの田んぼでコメを作っています。

去年の夏は穂が育つ時期に猛暑が続いたため、元智さんの田んぼも影響を受け、コシヒカリは1等がおよそ1割にとどまりました。

県内全体でも1等比率は50パーセントで過去最低の水準になり、販売価格にも影響が出ました。

元智さん「品質は去年は2等米が出てしまったので、その辺りをこれからの時期で何とかしていかなければいけないというところなので、水管理・水温管理というのを今年はしっかりやりたいなと思っています」

品質を保つポイントは何か。元智さんは、去年と今年の水温のデータを独自にまとめています。

元智さん「この辺りは水温が35度を超えている部分があるので、こういったところはイネにとってはすごく過酷な状況だったんじゃないかなと思いますね」

去年は、穂が出た後に水温が35度を超える日もありましたが、今年は、水を入れ替える頻度を増やして30度を下回るようにしています。今年の結果から水温がコメの品質に与える影響を分析する考えです。

県によりますと、穂が出てから20日間の平均気温が概ね27度を超えるとコメが白く濁りやすくなり品質に影響が出るということです。

一方、水温と品質の因果関係は、今のところ明確にはわかっていないとしながらも、猛暑対策として、水が必要な時期に切らさないようにすることなど、きめ細やかな管理を呼びかけています。

元智さん「もともと高校の理科の教員をやっていたので。去年何らかの要因がまずくて品質落としたのであれば、その辺りのファクター、要因というところから、まず水温じゃないかなと。2等米になったという原因が何かしらあると思うので。1等米比率を高められるように、日々の水の管理で、しっかり状況を見ていきたいかなと思います」

猛暑による品質への影響を防ぐことができるのか、そして水温との関係を詳しく解き明かせるのか。今年の夏、コメ農家の挑戦が続いています。

県やJAは、今年産のコシヒカリなどうるち米で、1等比率90パーセント以上を目指すとしています。水管理などを徹底できるのか、収穫の秋に向けて農家は踏ん張りどころです。

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