不登校など教室に入りづらいと感じている子どもたちの居場所を、学校の中に設ける動きが富山でも始まっています。子どもたちにとってより良い場所にしていくために何が大切なのか、不登校児の支援に携わる関係者の声を助田記者がお伝えします。
富山市の蜷川小学校です。
今年6月に「校内フリースクール」を開設しました。
嘉義政彦校長「トランポリンとかハンモックとか、子どもたちが遊んだり休んだりするのに使っていますし、ここで勉強はよくしているんですけど、一人でとにかく頑張りたいという時に、ここでちょっと頑張ったり」
「個室みたいなこと?」
「そうですね、イメージ的には」
元々コンピューター室だった部屋を改装し、学習机のほかにトランポリンなども設置。
現在は5、6人の児童が通っていて、その日なにをするかは子どもたち自身が決めています。
嘉義校長は、前に勤めていた小学校でも教室に入りづらい子どもたちのために部屋を設けていました。
嘉義政彦校長「前任校のときも保健室登校の子どもたちがいたり、それから小さな相談室みたいなところはあるんですけど、そこだとなかなか登校してきた子同士の関わりが生まれないというのがあって。こういう部屋があることで来た子どもたちの中で、コミュニケーションを取りながら1つのコミュニティができるものですから、人と関わる中で楽しさ、学校に来ることの楽しさを感じることができるという意味では、保健室登校とは少し違うのかなと思います」
国は学校内に、こうした場所の整備を進めていて、県内では6つの市と町の57の小中学校が4月から設置しています。
このうち富山市は「校内サポートルーム」という名称で、小学校8校、中学校9校に設けました。
蜷川小学校は学校が自主的に設けたものですが、嘉義校長は「校内サポートルーム」の広がりに期待を寄せています。
嘉義政彦校長「国語算数理科社会とかも、もちろんやっていってほしいんですけど、何か自分の人と比較されない自分の好きなもの得意なものを伸ばしていってほしい。それが自分自身の自信につながってくるんじゃないですか」
教室に入りづらいと感じる子どもたちの居場所を作ろうという取り組みは、以前から民間でも行われています。
高岡市のコミュニティハウス「ひとのま」です。
「1年くらい家にずっといて、親にこういうコミュニティハウス紹介いっぱいされてきたんですけど、ひとのまがなんでか分かんないんですけどいいなってなって行き始めて」
「何してるときが楽しい?」
「話してるときとかゲームしてるときとかみんなわちゃわちゃするからね」
「ひとのまみたいな場所が学校の中にあったら行った?」
「ああ、うん、それはあるかな」
「ひとのま」代表の宮田隼さんは、子どもたちにとって学校内のサポートルームという選択肢が増えることを歓迎する一方で、「型にはまった場所にはしてほしくない」と話します。
ひとのま 宮田隼代表 「学校はこういうもんだ、でもそこに当てはまれない、ちょっと自分はしんどいんだよねって子が行けなくなって、そういう子たちも来れるような場所になる必要があるなと思っていて。来ている子たちの顔を見ながら、どういう場所が居心地いいのか、どうやったらここに来れるのか考えながら場所を変化させていくあり方も1つなのかなと思います」
この記事の動画はこちらから再生できます