北日本放送と県工業教育振興会が主催して、工業高校生たちのものづくりを応援するミラコン2025、13回目となる今回は6校の6チームが参加します。来年1月の本戦を前に、エブリィではそれぞれのチームの奮闘ぶりを紹介しています。今回は、魚津工業高校と富山北部高校です。
■魚津工業「廃油でみんなを ハッピーに!」
魚津工業高校3年生でつくるチーム「M.E.J.s∞(メジャーズ インフィニティ)」です。
機械科、電気科、情報環境科の3つの学科の専門性を生かして今回取り組むのは、天ぷら油でミストクーラーを動かそうというプロジェクトです。
魚津市の産業フェアの会場に、発電を担当する機械科のメンバーの姿がありました。
メンバー「ここにたまっている油は、天かす揚げかすがほとんど残っていなくて、きれいな油がたまっています」
ディーゼル発電機は、天ぷら油でも動かすことができますが、使い古したものを使うと発電機が壊れる可能性があります。このためメンバーは、キッチンペーパーや目の細かいフィルターを使って、ろ過装置を作りました。
「石川で地震があった時に、電気が復旧するのに1か月くらいかかったというニュースを見て、そこがきっかけです」
天ぷら油を化学的に良質な燃料にしようと取り組んでいるのが情報環境科です。
「きれいな燃料を作って電気科さんに渡すことができればいいなって」
この日は、大豆油からバイオディーゼル燃料を取り出す実験をしていました。
「これ今から1日静置して分けます、グリセリンと欲しいバイオディーゼルに分けます」
グリセリンを取り除いた後、底にたまった不純物を水で洗い流します。
「自分たちは、もっときれいなもの(燃料)を作って頑張っていきたいです」
そして、電気科が担当するのはミストクーラーの開発。水道水を冷やして吹き出す霧状の水を、いかに冷やすかに挑戦しています。
「体育館が避難先になるんですけど、ミストクーラーを作って、快適に過ごそうと思って」水温を下げるのに使ったのが「ペルチェ素子は、片方の面からもう片方の面へ熱が移動するという性質を持っているので、冷たい面を水と接触させることによって、冷たいミストをだせるようにしています」その温度は?「下がってきとる下がってきとる」
今回3つの学科がタッグを組んだプロジェクトは、どんな相乗効果を発揮するのか。高校生たちの挑戦は続きます。
■富山北部「集中力を高めるぞ!」
富山北部高校くすり・バイオ科2年生のチーム「Science Planet(サイエンス プラネット)」です。
挑戦しているのは、頭の疲れを和らげ集中力アップにつながるような、おいしいタブレットの開発です。
メンバー「午前中の実習や授業で集中力が切れてしまうので、しっかり午後からも集中できるように」「脳の集中力を上げるビタミンB1やトウモロコシでんぷんと水が入ってて、そのほかにはブドウ糖などが入ってます」
重曹やクエン酸も入れて、ラムネのようなシュワシュワ感も出せるよう試作を重ねます。
「カンカンカンカンカン」「うん、さっきよりシュワシュワ感がちょっと出たわ。あと、やっぱり酸っぱいわ」
材料の入れ方を変えて、もう一度作ってみますが…「全部薄くなっとる気がする」「苦くない?」「うわ、だめです」理想の味にするには、もう少し時間がかかりそうです。
「計算をして、集中力がどれくらい続くのかという試験をします」
今度は実際に食べて、集中力がどう変化するか調べてみます。タブレットを食べたら、ひたすら計算に取り組みます。生徒たちは、事前にタブレットを食べていない状態でも検査を行っていて、正確さやスピードの変化を今回と比較します。
「はい終了です」「いやー疲れました」「前よりは集中が続いたかなって感じです」「そのとき(食べなかったとき)よりもできました」
生徒たちは手ごたえを感じた様子です。データからも変化を分析し、タブレットの完成に一歩ずつ近づいています。
あすは、砺波工業高校と高岡工芸高校です。そしてミラコンに出場する6チームの奮闘を追った番組「モノヅクリチャレンジャー」を、今月24日午後4時25分から放送します。
この記事の動画はこちらから再生できます