食卓に欠かせないコメについてです。
品薄は解消されつつありますが、高値が続いていて、家庭の食事のみならずコメを使った商品を販売する人たちにも影響が出ています。
おむすびを専門で販売する夫婦の苦悩を取材しました。
ふっくらと炊いた砺波産のコシヒカリを三角形の型に詰めた”おむすび”。
注文を受けてから作られるおむすびは、ふんわりしていながらコメがしっかりと詰まっていて食べ応えがあります。
販売しているのは、砺波市の燕昇司直人さんと徳華さん夫婦です。
2人は「脱サラ」してこの春からおむすびを専門にキッチンカーでの販売を始めました。
直人さん「日本人はやっぱりおコメかなーって思いますし」
徳華さん「家とはまた違ったおにぎりを、おにぎりってなんでも可能性をもっている宝箱みたいな、あのちっちゃい三角の中に、無限の可能性を2人で感じる、これを少しずつ広めていきたいというのが2人の思い」
おむすびの販売は主に県内のイベント会場などで行っていますが、5月からは高岡法科大学でも始めました。
大学は、定員割れが続いたことを理由に来年度以降の学生募集を停止し、在学生の卒業後に閉学することを決めています。
また、校内では、昨年度委託業者が撤退したことから学生食堂が現在ありません。
学生の学校生活を支えようと、二人は、大学側の補助を利用し、校内では普段の半額程度で販売しています。
1個150円で販売されるおむすびは学生たちにはすでになじみの存在です。
「非常に、リーズナブルな価格で提供してくださり、非常にありがたいと思っている」「めちゃくちゃおいしいです」「もうとても助かっています」
学生たちに笑顔が広がる一方、二人が懸念するのが続くコメの高値です。
農林水産省がまとめた先月の富山県産米60キロの値段は、コシヒカリが2万5583円と前の年の同じ月と比べて、64パーセント上昇しました。
燕昇司直人さん「仕入れが高いからといって、高いからといって、(値段を)上げていけばいいのかというと、やっぱそうではなくて」「バランスのとり方というか、自信を持ってやっているんですけど」
コメの高値により、現在の販売価格では利益を確保しにくくなっていますが、2人は、学生たちのため、なんとか価格を据え置いて販売を続ける考えです。
「今の世の中、シビアなところだと思うんで、そのへんうまくつきあいながら頑張っていきたいなと思っています」「ほんとにおコメのおいしさを世の中に伝えていけたらいいなと」
コメの高値はいつまで続くのか。
不安は募りますが、学生たちの笑顔のため二人はおむすびをつくり続けます。
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