能登半島地震で被災した石川県七尾市の女性が、母親の出身地、高岡市伏木にあす、飲食店をオープンします。同じく地震で被災した伏木に、にぎわいを生み出したいと意気込んでいます。梅本記者がお伝えします。
JR伏木駅のそばに、あすオープンする食事処「ほろ馬車」。
高岡市の支援事業を活用して開業するのは、川端珠実さん51歳です。
川端珠実さん「うれしい気持ちとちょっと不安な部分とあるが、今はちょっとワクワクしながらあすを迎えようと思っています」
オープンを前に、きょうは、川端さんの知人や親戚が、七尾市から駆け付けました。
「たいへんおまたせしました~こちらハンバーグ・・・」
「(食べて)うま!」
「珠ちゃんさん、めっちゃおいしいです!」
「ほんと、・・・うれいしいです、よかった、ふふふ・・・」
メニューは、クリームシチューピラフと洋食や煮物が味わえる弁当などです。
実はこのメニュー、かつて親戚が伏木で営んでいたレストランでおなじみだった料理です。
当時の店の名前も「幌馬車」川端さんは、自らが開く店でその名を受け継ぎます。
川端さん「幌馬車弁当というのが、うちのおばあちゃんが担当していたものなので。幌馬車さんと言ったら大きなエビでしょと言われたので。そういったお話を聞いて、メニューに取り入れていこうという思いで今やっていこうと思います」
石川県七尾市で生まれ育った川端さん。
伏木は母親のふるさとで親戚や知り合いが多く、移り住んで店を開こうと物件を探していたさなか、元日の地震にあいました。
七尾市の自宅は被災して住めなくなり、親戚の家に身を寄せながら準備を進めてきました。
川端さん「確かに七尾ではここで何か商売をしようという状況は思いつかず。まだここでのビジョンのほうが、私は将来的にいろんなことができるのではないかという思いで決めました」
能登半島地震による液状化で大きな被害を受けた伏木。
地震から11か月がすぎて、街なかの至る所で生じていた道路の段差は工事が進み、下水道の本格的な復旧も年内に始まる見通しです。
しかし本格的な液状化対策などはこれからで、市の復興計画で示された3年という期間が、道のりの長さを浮き彫りにしています。
その伏木で念願の店を開く川端さん。
ゆかりが深いこの地の、にぎわいづくりにつなげたいと話します。
川端さん「ここもねえ、まだ水道工事があるそうなので。でも前に向いて向いてって一歩一歩ずつ進んでいかないと。被災者というよりかはもう、いちチャレンジャーとして皆さんに認めていただけるように頑張りたいと思う」
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